あくとる

アムステルダムのあくとるのレビュー・感想・評価

アムステルダム(2022年製作の映画)
3.5
"奇妙な運命、人生の選択"

秀作の多い監督にしては今回は不評気味という前評判を聞いていたので、少し身構えていたが全然悪くなかった。
これまたピークエンドの法則で肯定したくなる作品。
特にラスト30分にすべてが、熱いメッセージが詰まっていた。
驚くような豪華キャストのアンサンブルはそれだけでリッチな気分にさせられる。

ただ、不評な理由も何となくわかる。
「突然ある殺人事件の容疑者に仕立て上げられた男たちがその背後にある大きな陰謀を明らかにするため奔走する」という本作のあらすじを聞けば多くの人はハラハラのサスペンスだと思ってしまうだろうが、本作の多くの時間はそういったハラハラ展開の無いほとんど会話中心の起伏に乏しいドラマである。
名優たちのアンサンブルで観ているのは苦痛では無いのだが、正直かなり単調ではある。
なのでサスペンス性を求めるのではなく、主役3人の奇妙な友情ドラマを見るつもりで臨めば楽しめるはず。