えんがわのすじの方

アムステルダムのえんがわのすじの方のレビュー・感想・評価

アムステルダム(2022年製作の映画)
3.7
デヴィッド・O・ラッセル監督作は初めて鑑賞。毀誉褒貶激しい監督だとはなんとなく知ってた。今作の饒舌っぷりは監督作の持ち味なのかな?うーん、語り口が饒舌なのはいいけどモチーフ・要素が多すぎるし、特に終わりのモノローグは余韻もくそもない説明がひたすら続いて辟易してしまった(露骨すぎるので、あえてなのかもしれないがなぜ?)。あと、中盤はゆってりしている割には民族浄化病院?みたいなとこはダイジェストで済ましてしまうし、終盤もクライマックスの演説まで結構引っ張るのでダレてしまった。ここまで引っ張るなら、もしかして?と考えてたが、別にツイストはなく終わってしまい肩透かしをくらってしまった。
これ、映画じゃなくてTVシリーズの方が話としては面白かったかもなぁ…。

かなり悪評を書いてしまったけど、実は悪い印象はまったく抱いていない。なぜなら、とにかく絵面が豪華だったから。役者陣が豪華なのはもちろんのこと、美術や衣装、撮影監督にはエマニエル・ルベツキと、とにかく豪華。このスタッフワーク見てるだけでほれぼれしていしまう。ルベツキの撮影も近年の自然光でドヤみたいな撮影じゃなくて、ひたすら巧い撮影で満足。この豪華さが二時間強のなかに凝縮されているのは映画ならではかな。序盤の事件に巻き込まれ→楽しかった過去を回想の流れは本当に絶品。ここだけなら今年一番贅沢な映画体験だったかも。

極論言えば、絵面で満足できたら話ガタガタでも問題なしなので、今作も全く不満はない。