Jun潤

アムステルダムのJun潤のレビュー・感想・評価

アムステルダム(2022年製作の映画)
3.5
2022.11.08

予告を見て気になった作品。
予告の時点で「ほぼ実話」とドキュメンタリー風ドラマなのか完全なドラマなのかわからないようなプロモーションでしたが、歴史ジャンルものとしてどの程度の出来に仕上がっているのか、期待しつつ今回鑑賞です。

戦地に招集され負傷を負った内科医のバートは、同じ復員兵で友人の弁護士・ハロルドに呼ばれ、かつての上官で将軍のミーキンズ将軍の不審死について調査を行うこととなる。
調査の途中で、依頼主であり将軍の娘であるリズが中止を言い渡した直後、何者かに突き飛ばされ車に轢かれて亡くなる。
真相を追い始めるバートとハロルドは、事件の始まりである過去の出来事を追想しながら、歴史の闇に触れるほどの陰謀に巻き込まれていく。

これは個人的に洋画では珍しい、史実を基にしたサスペンスフィクションを、派手なアクションや壮大な謎解きではなく、ユニークなキャラクターと会話劇でもって真相へと近付いていくような作り。
こういう作品に馴染みがなかったので、期待値に対して過不足もなく、新たなジャンルに触れられたなという感じ。

鑑賞後に調べてみると明確な歴史的出来事が元ネタになったわけではない?ような感じですが、もしもあの時こんなことが起きていたらというノンフィクションIF歴史ストーリーとしても楽しめたなかなと思います。
しかし社会の一つの側面に寄せたプロパガンダ感というか、陰謀論に乗っかりすぎな印象も無くは無いのかなとも感じました。

演出面では、1930年代を舞台にした作品としては少し画面が綺麗すぎたのが気になりました。
国や時代独特の色彩や、作品独自の世界観を表すようなビジュアル面での工夫があればもう少し観応えに繋がったんじゃないかとも思います。
Jun潤

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