デニロ

私は確信するのデニロのレビュー・感想・評価

私は確信する(2018年製作の映画)
2.5
フランスの実話をもとにした作品ということです。失そうか殺人か、証拠のないままに告訴された男を巡る。物語を膨らませるためか、ノラという女性を登場させる。彼女が物語を動かすのだが、鬱陶しいったらありゃしない。せっかくの法廷物も彼女のあり余る熱情がわたしを不快にする。彼女の衝動が分かりかねるのです。確信しているんでしょうけれど。法廷の主役たる弁護人が彼女に引っ掻き回されて痛々しい。

10年程前、セクハラを受けました、と申告された。コンプライアンスの窓口だったので対応したのだが、告発人の表情が本作のノラに似ていて、表情が似ているだけでなく周囲の人にあれこれと言い放ち無理矢理同意を求めている姿も同様で、その熱情に恐怖を感じたものだった。攻めまくり言いふらす方が強いのだとつくづく思った。みんなその行為を嫌がってその苦情迄処理しなければならなくなって嫌気がさした。その行為に根拠がなければブーメランのように戻ってくるからそのつもりでね、と忠告はしたのだが止まなかった。結局、セクハラに関する何の証拠も証言もなく、そして告発された側は病気になってしまった。当事者間で何があったのかもわからず、周囲の誰もが何の確信も得なかった。そんなことを思い出した。

金と時間をかけて一所懸命に勉強して司法試験に合格してわけの判らない者の弁護人になるよりも、一所懸命に働いてお金持ちなって弁護士雇った方がカッコいいかもしれない。

宣伝のヒッチコックの名前にヒッチコックタッチを期待して、緊急事態宣言の最中新宿まで危険を冒してまで出かけたのに。行くんじゃなかった。
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