ntm723

私は確信するのntm723のレビュー・感想・評価

私は確信する(2018年製作の映画)
4.0
すごいものを観た。
フランスで実際に起こった、失踪した妻の殺害容疑をかけられた夫の裁判を描いた法廷サスペンス。
弁護士の助手となり、私生活を犠牲にしてまで250時間もの通話記録を文字起こしする主人公ノラは架空の人物。
本作が長編デビューとなった監督がこの家族から直接話を聞いて、デュポン弁護士に弁護を依頼した当の本人ということで、ノラは監督自身を少し反映しているそう。

またこの事件の混乱には、失踪した女性の愛人による画策やマスコミの偏った報道により世論も大きく加担していたことから、ノラは世論を体現してもいるとのこと。

まず、女性の遺体も、夫が殺害した確固たる証拠もないのに彼を殺人容疑に問うこと自体有り得るのか?と思うし、推定無罪の原則はどこにいったのか?という気持ち悪さが拭えない。
冤罪を生む危うさが存在するフランスの司法システムに一石を投じながら、自らをシネフィルだとインタビューで何度も言うだけあって、リーガルものとしてとても見応えのある見せ方をする監督、凄い。
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