言っておきますがこれはコーヒーについての映画では有りませんが、イタリアの家庭には大抵エスプレッソ機のマキネッタが有りますよね。
それは現実か幻か…。
職を失い人生に草臥れた冴えない中年男は、カフェで働くの若い娘に恋をする。
カフェに通いつめるが遠くで眺めるだけで、しまいにはスマホで彼女を隠し撮しひとりでニヤける始末。
現実の世界なら只のキモいオッサンで片付けられ、場合によっては通報されても致し方ない。
しかし…
それが何故か付き合えちゃうのが映画の世界で、有り得ない現実が有り得てしまう不思議な世界。
この有り得ない年の差カップルは気持ち悪いくらい順調に進み、中年男の舞い上がる姿は寧ろ切なくも痛々しい。
そうは言いながらもこの映画はラブロマンスでもなければ、ほろ苦い年の差カップルの甘い情事でもない。
夢や妄想を抱くことは素敵な事だが、あくまで現実を踏まえた夢でなければ夢は夢と終わってしまう。
掴みどころがイマイチな物語だが、結末に『やっぱり…』と映画の中の現実はコーヒーのように甘くはなかった。
ほろ苦いを通り越した、孤独な中年男の最期の物語..★,