LEONkei

聖なる泉の少女のLEONkeiのレビュー・感想・評価

聖なる泉の少女(2017年製作の映画)
3.5
天高く風に舞う灰色の高積雲は壮大な山岳を包み静寂の湖は冷淡に沈黙する、山岳地帯の薄い空気は大自然が独占し人間の居場所はひっそりと片隅に。

トルコと国境を接するジョージア南西部のアチャラ地方の田舎で先祖代々聖なる泉を守る父親と娘、そして三人の息子はキリスト教の神父・イスラム教の聖職者・無神論者の科学の教師。

求める人生は人それぞれ。

バランスが良いのか悪いのか親の教育の曖昧さと矛盾に息子達が憂いたのか知らないが、残された年頃の娘が聖なる泉に囚われながらもココロの変化は静かに騒めきはじめる。

求める人生は人それぞれでも、ひとつに束ねる唯一のものはある。

随所で見られる自然や建築物や人物はベールを纏う絵画の様な美しい情景は優しく構図は洗練されている、〈靄の画家〉と言われた写実主義やロマン主義の〝ジャン=バティスト・カミーユ・コロー〟を彷彿とさせる..★,
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