鈴鹿

ある人質 生還までの398日の鈴鹿のレビュー・感想・評価

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)
3.6
Filmarksウェブ試写会にて。

冒頭のデンマークの生活描写が、日本と比べると豊か過ぎて、そこからあまり主人公サイドに気持ちが乗れなかった。

むしろ、日本人にも知られている、
イギリス出身のテロリスト、ジハーディー・ジョン側の物語を観たいと思った。
どんな経緯と考えであの場に至ったのだろうかと。

だけどそれを撮ると確実にイスラム国サイドのプロパガンダになってしまうのが、現在進行形の問題を扱う難しさだろうなぁ…。

当事者家族から見れば一刻も早く政府に身代金を出してもらいたいけど、
政府から見れば100万ドル単位の身代金が新たなテロに使われるのを阻止したいのが、

あくまで第三者の観客視点から見るとジレンマを感じさせる。

ラストがキリスト教の教会でスピーチして終わるのも何か象徴的。

90年代のゲイリー・オールドマンとミッキー・ロークを足してポッチャリさせたような元軍人の交渉人役が風格があって良かった。
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