爆裂BOX

ザ・スタンド 連続殺人犯の元カレと妄想症に悩む私の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.7
メアリーは連続殺人鬼の元カレジェイムズの犯行を見せられた事で心に傷を負い、幻覚を見るようになっていた。メアリーはガソリンスタンドの夜勤の仕事に就くが…というストーリー。
「アウトレイジ・ワールド」「ダークライト」のパドレイグ・レイノルズ監督による変化球なスラッシャー・ホラーです。ホラー映画で生き残ったヒロインの「その後」を描くというコンセプトが面白いですね。
主人公のメアリーは悪名高い連続殺人鬼だった元カレに犯行を見せられ、脅され、家に放火してジェイムズを負傷させ刑務所送りにしますが自分も刑務所に入り、トラウマから妄想症を患い、ジェイムズの犯行の様子やジェイムズの幻覚を見るようになります。ホラー映画で殺人鬼と戦い何とか生き延びたヒロインたちも当たり前ですが、もうその前のような生活には戻れないんでしょうね。2018年版「ハロウィン」でもローリーはサラ・コナー化してましたし。実際知らずに連続殺人鬼と付き合ってた人とかアメリカとかには居そうですね。被害者遺族からも嫌がらせの電話がかかってきて苦悩します。
ガソリンスタンドで深夜バイトを始めるメアリーですが、不気味な電話がかかって来たりジェイムスの姿を見たりして幻覚か現実かの境目が曖昧になっていきます。それと並行してメアリーの唯一の友人やスタンドの先輩店員がレインコートの男に襲われていきます。ブレンダン・フレッチャーが先輩店員役で出てますが、怪しいなと思ってたけど普通にいい人でしたね。襲い掛かってきた女の素性を知って「許されるのかな?」というメアリーの言葉に対しての「それはない」という保護観察官の一言が重いですね。
後半、姿を現したジェイムスによる殺戮はハンマーによる頭部破壊シーンが中々強烈でしたね。そこからの追いかけっこは割とありがちなスラッシャーの終盤という感じですが、中々ハラハラさせてくれました。一応身体的には普通の人間のはずなのに鹿のはく製の角で胴体貫かれても死なない尋常じゃないタフさを持ってますね。最期の「愛してる」は本心なのかな。独りよがりで異常な愛ですが。
ジェイムスの姿が消えてましたけどラスト見る限り生きてても死んでてもメアリーはジェイムスの呪縛に囚われたんでしょうね。
一風変わったスラッシャーという感じで中々楽しめましたね。