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ヒューマン・ボイスのSPNminacoのレビュー・感想・評価

ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)
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コクトーの戯曲翻案だけど100%アルモドヴァル色。スタジオに組んだ家のセットで「狂気と憂鬱」を演じるティルダ・スウィントン。原色とエロティックな絵画、濃厚な視覚美術で彩られた演劇空間は、工具が並ぶホームセンターですら整然と美しい。DVDもジャケの色で選んでるよね。
「機械のような声」をした相手に、派手な衣装とメイクで芝居掛かった言葉をぶつける人間。その間で置き去りにされた犬。激しい感情が無機質で無情な世界を破壊する。
もともとアルモドヴァル映画は舞台演劇に近い人工美の極致みたいなもので、その作られた美、虚構の裏側を見るような感じもして面白い。あっという間の30分だった。
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