Tig

セブンのTigのネタバレレビュー・内容・結末

セブン(1995年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

カトリックの神学者トーマス・アクイナスが規定した7つの大罪に沿って殺人が行なわれていくサイコサスペンス。フィンチャーといったらこれじゃないでしょうか。
とかく後味の悪さが半端じゃない。でもあのバッドエンドだからこそトラウマ的に印象に残っている映画でもあります。結構深い話なんですが、初見の際は私の凡庸な頭では表層のドラマしか理解できなかったので、当時色々なレビューを観ていたのですが難解でした。キリスト教圏で育った方ならあーあれか!ってなるのかな。いずれにしてもフィンチャーって本当気持ち悪いやつだなあと心から思いました笑 でも大好きです。

以下wowowでの町山氏のセブン解説が理解の参考になったので薀蓄を忘れないようにメモ
_φ(・_・
(単なるメモで個人的な感想ではありません…)

1
タイトルバックを製作したカイル・クーパーが用いたフリッカーや画面が汚く映る手法は楽曲クローサーを提供しているナインインチネイルズのプロモの映像が元ネタ。更にその元ネタが死体や障害者、アウトサイダーをテーマに写真を撮るピーター・ウィトキンの古びたようなタッチ。
また市川崑監督の銀残しの現像手法を用いた燻んだ映像等、現代アートを積極的に取り入れている。他にも劇中の犯人の部屋の十字架はネオンアートのブルース・ナウマンにインスパイアされていたり、犯人がスパゲッティ缶を大量にとって並べているのは、ウォーホルのキャンベルスープを重ねている。

2
作品のモチーフにはダンテの神曲で描写された地獄と天国の狭間にある煉獄がある。煉獄では7段階のテラスでそれぞれの罪を贖う事により最終的に天国へ行ける。ナインインチネイルズのクローサー(もっと近くに)は天国に近づける事を示唆している。
またミルトンの失楽園(昔天使だったサタンがアダムとイブを誘惑する話)がストーリーのベースになっている。アダムがブラピ、イブがグウィネス・パルトロウ。二人とも無垢な存在として描かれるが、失楽園をなぞりサタンであるケヴィン・スペイシーにそそのかされ、罪を犯すという物語がセブン。
イギリスの詩人チョーサーによるカンタベリー物語(7つの大罪をそれぞれエピソードにしてそれぞれの罪を犯した人について物語化した小説)も本作で登場人物一人一人が各々の罪を背負っているというプロットとして取り入れられている。
こういったヨーロッパ古典文学の要素を取り入れている。

3
これまでの映像表現では銃撃シーンが第三者的に撮られていたが、本作ではケヴィン・スペイシーが発砲した際にカメラが揺れる。つまり一人称的視点でカメラが機能している。

4
通常のサイコキラー作品に現代アートとヨーロッパ古典文学の要素、斬新な映像表現を取り入れた事、また犯人が自首をするという展開が非常に衝撃的であった。

5
何故このような作品を撮ったか。フィンチャー自身がリアルタイムでゾディアック殺人事件を見聞きしており、それを映画化したいという願望があった為。のちにゾディアックも映画化。