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セブンのrumiのネタバレレビュー・内容・結末

セブン(1995年製作の映画)
1.9

このレビューはネタバレを含みます

結末が胸糞なのは何となく知っていたので、見終わってから気持ちが落ち込まずに済みました。

胸糞映画を見終わって毎回感じる事は、どうして現実世界が胸糞なのに、わざわざ胸糞を創作するんだ、という事。
ああ、これは胸糞を体験したことのない平和な人々へ向けた娯楽なのか。自己解決する。
確かにひどい結末ではあるけど、まだデイヴィッドが復讐を成し遂げたので、気持ち的には沈みすぎなくて済む。
ミストよりは見やすいと思う。

どうして二人の刑事が気味の悪い殺人事件を追うだけの展開がこんなに面白いのだろう?
それは二人の性格が正反対だからでしょう。
二人が心を通わすシーンのモーガンフリーマンの爆笑は、こちらも笑えてきて、3人に好感が持てて、同時に数多くのものが表現されている。演技力が高すぎてため息が出る。

また正義の話になる。
わたしには昔から変わらない自論がある。
それは、正義というものは十人十色のもので、決して型には嵌められないということ。
法律は正義ではなく、単なる規律である。

人々は誰しもが自らを正しいと信じている。
犯罪者ですら、人を殺した人ですら、絶対に自分が正しいと思っている。
誰かが誰かを裁く事は本来は出来ないものだけど、刑罰は間違った事をしたから行われるのではなく、規律を破ったから行われるのである。

人殺しは悪いことではない。間違った事でもない。理由があれば人間は人間を殺す。ただそれは規律違反なのだ。人々が協力してお互いに助け合って成り立つ世の中では、人殺しを禁止する必要があるだけだ。

犯人を見つけてやる!と息巻いていたデイヴィッドが今度は犯人になった。
果たして彼の気持ちはどうだろうか?
きっと、ジョンと同類にされるのは嫌だろうし、実際に凶悪さに差がある。
しかしやった事は同じだ。

ジョンが何故あんな事をしたかは語られていないが、ジョンが間違っていて、デイヴィッドが正しいと安易には答えられない。わたしはいつだってそう思う。
二人の中に正義があり、それは他人には理解できないもの。

規律がある限り、悪は生まれる。
規律を破った者が必ず悪になる。
誰でも悪になる可能性がある。

そんなクソみたいな世の中に子どもを迎え入れなかったウィリアムの選択は、彼にとっては正義なのだ。
でも、もし彼が違う選択をしていたとしたら、クソみたいな世界に光を見いだせていたかも知れんよ。
わたしはそう思います。
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