みおこし

これからの人生のみおこしのレビュー・感想・評価

これからの人生(2020年製作の映画)
3.4
先日のアカデミー賞で歌曲賞にノミネートされていた、ソフィア・ローレン主演のイタリア映画。

ホロコーストを生き延びた女性マダム・ローザは、身寄りのない子供たちを預かってアパートで一緒に暮らしている。ある日、ひょんなことから非行少年のモモを引き取ることになるが、盗癖があり言葉遣いも素行も乱暴な彼に手を焼く。しかし、どちらも孤独を抱えた二人は次第に心を通わせるようになっていき…。

1975年発表の小説の3度目の映画化。一番有名なのはフランスの大女優シモーヌ・シニョレがローザ役を務め、アカデミー賞の外国語作品賞を獲得した1977年版。このバージョンは未見ですが、調べる限りなかなか鑑賞する機会が日本ではなさそう…。
そして今回のNetflix配給バージョンは、言わずと知れた大女優ソフィア・ローレン(御年86歳!!)を主演に迎え、監督を務めるのは彼女の息子さんのエドアルド・ポンティ。なんとソフィアはこれが10年ぶりのスクリーン復帰だそう。1991年にソフィアがアカデミー名誉賞を取った時、当時19歳のエドアルドが授賞式に出ている映像を観たことがあって、あまりのイケメンっぷりに卒倒したのですが(笑)もう48歳で映画監督として活躍されてるんですね!

一見ちょっと堅物でコワい印象のローザおばあちゃん。子供たちを叱る姿も貫禄たっぷりで、一瞥するだけで思わず背筋が伸びちゃう(笑)。非行少年モモにも手を焼くし、口では「もうこの子を受け入れられない」と話しながらも、実はとっても愛情深い人物であり、その過去にはホロコーストという経験もある。ソフィアの抑えた演技の中に、ローザの長い人生経験に基づく感情がにじみ出ていて素晴らしかったです。
モモ役の男の子の演技からも、ローザの愛を知るにつれて変化していく様子が伝わってきてよかった!

主題歌“lo Si (Seen)”もメッセージ性のある素敵な楽曲でした。
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