背景を省略したシンプルなアニメーション絵柄。セリフは無く、BGMもミニマムなピアノ音楽のみ。抽象度が高いから観る者の想像が膨らみやすい。
哀しい物語だった。
誰を責めても取り返しがつかない。でもお互いを責めてしまう事があるし、自分を咎める事もある。
後悔してもしきれない夫婦の思いが、彼らの陰のような物に化けたのだろうか。
色もモノトーン気味で全体に抑えられているから、色彩が使われてる箇所が印象に残る。
1つ目の色彩は箪笥の中から見つけた娘の青色のTシャツ。そのTシャツから娘の思い出が蘇る。誕生、成長、入学。
小学校での決定的な事件により夫婦が地に落ちた時に、娘がニッコリ笑う太陽にな化けて両親をギュッくっつけて慰めるシーンに涙が溢れた。その太陽の優しい黄色い色彩が一番心に残った。