2回目の鑑賞です。
オーディションのシーン。
韓国手話で「取ったの?モルヒネ 返しなさい」というセリフに主人公(西島秀俊)が反応する。妻の喪失にきちんと苦しんで来なかった主人公の無意識をエグる恐ろしいメタなシーンだと思う。そして、このセリフはラストになって「僕は正しく傷つくべきだった。僕は”本当”をやり過ごしてしまった」というセリフに繋がっていく。
モルヒネを奪い取り、現実と向い合せ、喪失と向い合せた濱口監督の才能の怖さを感じた。
2021/08/20 鑑賞時の感想
マイベストな今年1番だと思う。
3時間は納得。
「記憶」には不思議と距離感がある。
互いの記憶の距離を縮めるドライブ。
すでに「ない」ものが、痕跡として「ある」ことで世界、大切な人を知る。