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ドライブ・マイ・カーのmoetのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.0
岡田将生演じる高槻の物語へ入ってくる感じも、消えていきかたも、あの台詞を言うホラー感も、全て村上春樹の本を読んでる時に感じる人間ではない装置のような感じがそのままですごかった。

元ネタはドライブ・マイ・カーだけど、ワーニャ叔父さんの要素をより強く盛り込んであるのであらすじだけでも知ってるとより楽しめるかもしれない。ソーニャの最後の台詞の表現が映像でしか出来ない演出で、長い長い物語を読んだ時に感じる台詞の重みがそのまま感じられるようでとても良かった。劇中みさきが「あの人がソーニャなんだ」と思わず納得するほどのパク・ユリムさん素晴らしかった。

村上春樹の作品は分かりやすい救いの表現はあまりしない(未来という選択肢が提示されるだけがほとんど)なので、上十二滝町での一連の出来事は村上春樹作品ではありえない分かりやすい救いの表現になっていて正直好みではない。
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