このレビューはネタバレを含みます
皆におすすめできる映画ではないが、私は好きだった。とても文学的で、演劇的。
テープから流れるセリフの1つ1つがその時の心情とリンクしていて、チェーホフの本が心情を炙り出す、という家福のセリフを、観る人に追体験させているように思える。
特に最後の舞台上のソーニャのセリフは、妻が死ぬ前に反芻していたセリフで(たしか)、この映画の主題である、死んだ人を思いながらも生きて(仕事をして)いかないとならない、に繋がっているように思えた。
車の中のシーンでは、家福の心の小さな変化が読み取れたように思う。
無駄なシーンや、違和感のあるシーンがひとつもない。説明が多くないため、考察の余地がたくさんあるので、まだまだしばらく浸りたい。