なるほどこの脚本はすごい!
原作はあれどこれはもう明らかに濱口監督の作品ですよね。
だれかの作品を読んであるいは観て自分が感じたこと受け取ったことをほかのだれかに伝えたい、そうしたときに、単なる脚色にとどまらず、こんなふうに因数分解をし、増補し、再構築を行い、昇華できるなんて!
私が原作を読んで受け取ったものとは正直すこしちがったのだけれど、この映画で描かれている喪失と再生の物語も確かに私が読んだあの小説なのだと素直に思える。そういう説得力をこの映画は持っているとおもった。
はじめはすこし、わかりやすすぎるというかドラマチックに過ぎると感じたさまざまな設定も、徹頭徹尾丁寧に紡がれた物語のなかでしっくりとはまる。
なんか、こんなふうに私も、勇気を持って自分の感想や感動を、一生懸命に丁寧に丁寧にだれかに伝えてみたいなーなんておもったのであった。しかしながら語彙力も表現力も無くて、もう!
いやぁ読書の新たな楽しみかたまで教えてもらった気分。
ほんとはもっとふつうに映画の内容に関する感想書こうと思ってたんだけど、原作読んじゃってたものだから、あの原作からこういう解釈がうまれるのはわかるけど、だからってこの表現て、監督すげえな!ととても感激してしまったので、なんだかへんてこな、レビューにもならないレビューになってしまった!