このレビューはネタバレを含みます
深く考えさせられる作品で
とても自分好みでした。
普通の倫理観だと
不倫した音と高槻が悪いで
終わる話かもしれないですが、
家福にとっては落とし所の
付けづらい問題で見ている自分も
同じように終始モヤモヤしていました。
不倫相手の高槻が不倫を認めながらも
家福が目を背けている
もっと自分の気持ちを音に素直に
伝えるべきだったということに
家福が気付かされた後、
車内でみさきとタバコ吸う
シーンはしびれました。
演技に関してまともな意見も
言えない高槻が、
堂々と家福に意見している様子から
音が家福のことを愛していたことと、
憧れの女を抱いたのに高槻がその夫に激しく嫉妬
していることがとても良く伝わりました。
結局耐え抜いて生きていくという
ソーニャのセリフで家福が腑に落ちたのなら
最後のシーンは思い出と決別して
生きていくというポジティブな
終わり方なのかなと思っています。
人によって見方が変わったり
その土地特有の風景の良さや
人種の話題を取り上げたり、
とにかく受賞するのに必要そうな
要素を盛り込んでここまで
日本の作品が面白くできたのは
すごいなと思いました。
世界の評価基準で映画を作る技術が
日本にあると知れたこともあって、
アカデミー賞などの数々の受賞はより
日本映画を好きになるきっかけになりました。
本当にありがとうございました。
