さかな

ドライブ・マイ・カーのさかなのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.2
長い。長すぎてさすがに映画館には行けず、さりとて家で見ると集中できない、見るきっかけがないと思ってたら、ちょうど季節の変わり目でなんもやる気しない日にアマプラで鑑賞。
序盤は春樹感が濃すぎて濃すぎてちょっと俯瞰で見ながら、ははーん、文学すぎる映画か?とこっちも斜に構えていたが、三浦透子が出てきたあたりからぐっと見やすくなり、岡田将生が嫌な感じで、内象的なモゴモゴ感のあるセリフばかりの物語の中で、ことばをぱーんと前に押し出す話し方をしていて音のバランスが取れていたと思う。インターナショナルキャストの外国語や手話も心地よかった。さらに、とんでもない距離を移動しまくったり、画面は開放感がありながら、あくまでも心象に偏った物語をがっちり語りきった映画。芝居を作る、見る、楽屋でモニターを見る、など、心象とそれを見る人たち、というのが画面に共存していたのもよかった。
ラストの解放感は見事。癒されたわ。
あの序盤の妻役の人が春樹節を濃ゆーくしてくれたからこその、このラスト。
春樹の世界にはめずらしい、とっても素敵なカップルが出てくるのも秀逸でした。
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