ドライブ・マイ・カーのくまやぼのみまふさのレビュー・感想・評価

SAABclassic900が主人公でありトポスである。エンジン音と走行音を観客に意識させながら台詞の練習や言葉少なめの会話がある。この演出が映画の基調となる。西島と岡田のきわどい会話もだから聴けた。ところが北海道の倒壊した家の前で西島と三浦が真情を吐露する場面で私は自分でも戸惑うほど鼻白んでしまった。風景音のなかで饒舌になった二人の言葉はただただ空疎なものに聴こえた。