身近な人の死に対して後悔を抱えているふたりが互いとの対話から前を向いて生きていこうとする作品。3時間の作品とは思えないほどスラスラと観れた。そのひとつの要因として、作品の物語性はもちろん、家福が作中にてがけている『ワーニャ伯父さん』の魅力にあると思う。『ワーニャ伯父さん』の台詞が心地良かった。
感情があまりでない家福に興味が出て、そんな家福の感情が大きく動いた高槻との車でのシーンは観ていて同じように感情が大きく揺さぶられた。登場人物は棒読みのように感じられるところが多かったけれど、なんだかそれも心地良かった。視聴者に感情を任せているようにも思った。
家福とみさきがタバコを車の外に手を伸ばして持つシーンが印象的だった。二人の関係性が築けていることが伝わった。最後のシーンでみさきの顔の傷が消えているところで画が終わったのが、家福メインの作品に思われるがみさきも家福との対話の中で同じように克服出来たことを意味していると思った。
