たむ

眠狂四郎 魔性剣のたむのレビュー・感想・評価

眠狂四郎 魔性剣(1965年製作の映画)
3.1
よりエログロ感が高まりつつ、実は子供との交流を色濃く描いた心温まる眠狂四郎シリーズ第六作です。
今回は狂四郎が能面を被った武家の娘の自害に罪悪感を感じ、その娘を慕っていた子供とのドラマが核になってきます。
そこに襲いかかるのが過去の因縁、宿命、敵討ちと男性女性関係なく、毒蛇まで襲ってきます。
転びバテレンの黒ミサシーンでは、怒りを爆発させて、クライマックスでは五重塔を背景に一騎打ちがあったり、盛りだくさんです。
この盛りだくさんさでシリーズ最短75分。
テンポの異常なまでの早さが魅力で、怒涛の展開です。

狂四郎の虚無感台詞は「よくみておけ、これが侍だ。殺し合いだ」と剣の道を極めながら、結局は武士道は殺し合いでしかない、と子供に教える狂四郎。
美化されがちな武士道を突き詰めてみれば、結局は人斬り。
このセリフをきっかけとしてクライマックスに流れ込んでいくシナリオが上手いです。
狂四郎の心情をよく表した作品ですね。
たむ

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