夫からDVを受けている高校時代から好きだった人、七恵。その人が安心して暮らせる様にと夫を殺してあげるレイ。
そこから始まるストーリーだけど、登場人物みんなの気持ちを考えながら見るととても胸が痛い。
主人公の2人だけじゃなく、レイの家族、彼女、彼女の親…一人一人の気持ちがとてもよく表現されていて、その発言に至るまでの過程の気持ち、その後の生活をしていく気持ち、色んなことを考えるととても苦しくなるけど、みんなそれぞれの「彼女」に愛情を持っていて温かい。
レイの行動は愛がゆえにやったこと。悩みながらもずっと好きだった「彼女」と共にする日々に愛おしさを感じている。
家族がいても、夫がいてもずっとひとりぼっちだった七恵は、レイの存在をどんな風に受け取っていたのだろう。
- 依存?自分が安心するための人?頼りにしてる?共存したい?共依存?
何度もレイを試すし、何度もレイに守られているし、見ているこっちからすると正直なんでレイが七恵を好きかがわからない。
でもレイと過ごす時間とともに何かを知っていった七恵は、レイを信用できたのかな。
個人的にへ七恵の気持ちがあまり読み取れなかったので、もう少し色んな倫理観や人の思考、その在り方を理解した上でまた見てみたいと思う作品。
そして、ずっと「あんた」とな「あなた」って呼び合っていたこと、最後に名前を呼んだこと、この辺りの意味もまた考えてみたい。
そしてなにより、鈴木杏ちゃんの演技には圧巻です。