まさかこの作品を映画館で見ることができるとは。
大学生のとき、バイト先で知り合った友人と映画の話をしていて、「ヒッチャー」が好きだと言ったら、無言で握手を求められたことを思いだす。
観客は男率がかなり高かった。みんな「ヒッチャー」が好きなんだ。
逃亡と追跡をこれだけシンプルに描き、上映時間97分間ずっと緊張が止まらない。
「ふっー」と、ため息ついて顔をあげたら、必ずアイツがいる。
ルトガー・ハウアー演じるジョン・ライダーがとにかく怖い。最初に車に乗せたシーンで、「俺を止めてくれ」と挑発。
これからジム・ハルジーをつけ狙う。そしてまわりの人間が死んでいく。自分は何もしていないのに。
ジョン・ライダーは何者なのか、目的は何なのか、そんなことはどうでもいい。とにかくしつこく、気がつけばそこにいる。そして誰か死ぬ。
何をしても、どこにいても、ジョン・ライダーがうわて。執拗にせまり、でも殺さない。むしろ警察から助ける。警察に捕まってしまってはゲームオーバーだ。追うのは自分だけ。殺さず、精神的ダメージを与え、追い続ける。
カーアクションも最高で、２台のパトカーの横転するシーンは、映画史に残るんじゃないか。
ラストのカットまでかっこいい。ライフルを構えるジョン・ライダーが渋すぎる。
これが映画館で見られるとは。
