TakuoAoyama

ステージ・マザーのTakuoAoyamaのネタバレレビュー・内容・結末

ステージ・マザー(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

人気ドラァグクイーンのリッキーがパンドラ・ボックスの舞台で薬物の過剰摂取から突然死してしまう。
リッキーの母メイベリン・メトカーフ(ジャッキー・ウィーヴァー)は息子と絶縁状態だったが、訃報に心を聞き、夫の反対を押し切り、母として葬儀に参列するためにサンフランシスコへと飛び立つことを決心する。

最初はLGBTQ+のカルチャーを受け入れ難いメイベリンだが、息子の周りの人々と関わり、次第に息子の人物像を知っていく。

また、相続したゲイバーの再建を皮切りに、周囲の人々の諸問題をバッタバッタと解決していく。ドラッグを止められない子がいれば寄り添い、自分と同じくゲイの息子と疎遠な母親がいれば寄り添い、DV男に暴力をふるわれる子がいれば寄り添い、問題を解決していく。

息子の母親をやり切れなかった自身の後悔から、息子と関わってくれた人達に恩返しをするかのように、LGBTQ+コミュニティの拠点カストロ・ストリートの皆の母親を担うメイベリン。

息子の恋人であり共同経営者のネイサン(エイドリアン・グレニアー)、居候先のシングルマザーで息子の親友のシエナ(ルーシー・リュー)と息子と同じ名前の赤ちゃんのリッキー、息子と同じくトランス女性のチェリー・ポピンズ(マイヤ・テイラー)、街で出会ったホテルのコンシェルジュ長。

そう、この物語は保守的なテキサスで夫に仕え、教会に通い、聖歌隊をしていたメイベリンにとって、サンフランシスコで自分が知らない世界のカルチャーや人達に出会い、第二の人生を始める物語でもある。

メイベリンがDV男に銃を向け、「あたしゃ女を殴る男を殺すのが夢だったんだよ。」という台詞は最高だった。

御年76歳のジャッキー・ウィーヴァー。魅力的でした。ラストの「Total Eclipse Of Heart(愛のかげり)/BONNIE TYLER」は素敵だった。
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