牧史郎

フェミニズムの結果の牧史郎のレビュー・感想・評価

フェミニズムの結果(1906年製作の映画)
4.0
この時代に彼女だからこそ撮れた傑作。

男女を入れ替えただけでこんなにも異界が広がる。コメディに仕立ててはいるが見ていて明らかに気持ち悪い。だからこそ、これが現実であるという恐ろしさを突きつけつつ、最後の最後でファンタジーを経由しない現実として素の男たちがカフェに乱入してくる。
映画を終えて現実に戻ることになる当時の女性の観客はどう思ったのかな。
あるいは今以上にジェンダーギャップがあった当時の男性たちは胸を撫で下ろしたのだろうか。
こんなにもその時代の観客の感想を聞きたい作品はなかなかない。そういういみでも大傑作だなー。

あと他の方も書かれていたけれど、これをどんな気持ちで演じていたのか?被写体たちの意見も是非とも聞きたい(が想像することしかできないことにサイレント映画の圧倒的かつ残酷な魅力がある)。
牧史郎

牧史郎