好き勝手なてそ

スペルの好き勝手なてそのレビュー・感想・評価

スペル(2020年製作の映画)
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序盤以降はほぼ黒人しか出てこないオカルト(カルトでもある)ホラー。
■あらすじ
葬式のため疎遠になっていた田舎の実家に帰ろうとするマーキス一家。近くまで来たものの、嵐に巻き込まれ一家の自家用ジェット機は墜落してしまう。
マーキスは知らない民家のベッドで目を覚ますが、家主はブードゥー教の民間療法を用いようとしてーーという話。

オカルトだけど、取り憑きはないです。
電波も電話もない、ブードゥーに妄信的な村からどうやって脱出するかという内容なので、クリーチャー的なのもないです。
やや痛々しい映像と、猫が枠外でかわいそうになるシーンあり。

■ざっくり感想
黒人が黒人に脅かされる珍しい映画という印象がまずあった。
そのため、人種差別的なテーマはないものとしてすんなり見れたけど、都会↔田舎の差別みたいなのはセリフにもかなりあったので、人種だけじゃないぜっていうのを伝えたかったように見えた。
ストーリーは、ブードゥーについてあれこれ調べるている人だとこの話の全容は序盤で大体読めちゃうかもと思った。
よく知らない立場からすると、まあまあ楽しめる作品だと思う。けど、これで実在する宗教を全部知った気になるのはかなり危険。
そのあたりのネガな感想は下に書きます。

小型飛行機を見るとだいたい落ちる予感はしますよね!



ーー以下ネタバレ含みますーー

■ブードゥーぶっ叩き
ブードゥーって今信仰している人いないの?(いないと見せかけて、アメリカでも辺境にはあるかもね…みたいな設定なのかもだけど)

ブードゥーのことを完全に悪に仕立ててるので、差別とかテーマにしてそうなわりには、一宗教を悪見せしてたのがちょっと気になった。
一応病気を治す的な良いシーンもあるが、総じて不気味に描かれてる。
このレビューを書くにあたり色々検索したけど、やはりゾンビの元ネタだったり、特にアメリカではブードゥーのことをある事ないこと言ってホラーに仕立て上げることも数々あるようなので、それでいうとこの見せ方はちょっと心配。
ブードゥーの良い悪いというか、アメリカで信仰の自由として受け入れているならこの作りはダメじゃないか?っていう…気になる。

■警察の嘘の謎
マーキスが警察に電話したときに、妻娘は生きてるけど息子は見つかっていないと嘘をついた意味がわからなかった。
なぜ全員助かってることにしなかったんだろう?安心させた方が変に探し回ったりしなくて良さそうなのに…ってところだけ謎だった。

■マーキス頭良すぎ
さすが弁護士とだけあり、ブードゥーの本をちょいと読み、棚のいい薬とわるい薬を見定め交換。エロイーズの人形を作っちゃったり、ブードゥーを利用した逆襲が見どころではあるものの頭がキレすぎている。

父親もブードゥー信仰していたみたいなことだと思うけど、結局親が出てこなかったのもちょっと惜しかったな。
ただ亡くなったってことはエロイーズたちみたいなことはやってない人だと思うので、そこまで盲信してないor宗派が違う?