さりさり

共謀家族のさりさりのレビュー・感想・評価

共謀家族(2019年製作の映画)
3.7
え? これ韓国映画?
と思うほど、韓国クライムっぽかった。
胸糞動機と、素早い展開、最悪な警察官たち。
ごく平凡な家族が完全犯罪を企てた、中国のクライムサスペンス。

高校生のピンピンは、サマーキャンプで男子生徒たちに無理やり酒を飲まされ、意識がなくなったところで乱暴されてしまう。
その様子を動画に撮られ、脅迫され、相談した母親と共にその携帯を奪って壊そうとする。
しかし揉み合いの末、ピンピンは誤って男子生徒を殺害してしまう。
事の顛末を知った父親は、娘を守るべく、ある計画を立てる…。

発端は卑劣な暴行事件だ。
暴行シーンが直接映し出されることはなく、私達が観るのは携帯越しの遠目な映像だけだ。
だが、その卑劣な行為を想像しただけで、怒りと恐怖で体が震える。

殺された男子生徒が警察局長と議員の息子だということで、一気に話がややこしくなる。
この警察局長は男子生徒の母親なのだが、もろクソババアなのだ。
いや、クソというより鬼。
権力を武器にして、非道な手段で拷問までしようとする。
恐ろしい形相で、幼い子供まで脅しにかかる。
やはり、“この母にしてあの息子” だ。

この映画の一番の見どころは、いかにして父親が娘の犯罪を隠ぺいするか、どうアリバイ工作をするか、というところだ。
警察を相手に展開される頭脳戦。
愛する娘を守るための決断。
そしてラストはもちろん泣かされる。

若干の既視感はあるが、最後まで一気に観られた。
父親が「今まで1000本の映画を観た “映画通” というところにも共感出来た。
映画を愛する人に悪い人はいない。(多分…)

最後にひとつだけ。
どうでもいいけど「雨降りすぎ」笑
さりさり

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