はなこたちゃん

共謀家族のはなこたちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

共謀家族(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

父親が墓地に埋められた遺体を掘り起こしたとき
少年がそもそも娘によって撲殺されたのではなく生き埋めになって死んだ事が分かる

もしあの倉庫で少年が倒れたあと
すぐに警察に届けていたら…

もし警官が誠実な警官だったら…

警察署長が証拠のねつ造も厭わない様な暴君でなかったら…

あの少年が警察署長の息子でなかったら…

…少年は死なずにすんだかもしれない


映画からヒントを得て
巧妙に警察を欺いたかに思えた矢先
に父親がとった行動については

湖に車を沈める際に
射抜くような目をしたヤギを見たとき

僧侶から
『見返りを求める者が功徳を得ることは出来ない』と言われたとき

いやそもそも
正当防衛とはいえ
大きな罪を犯し
その罪を隠したまま
これから先
家族が『平安』に
過ごしていくことは出来ないと
分かっていた父親は
最初からこうするつもりだったのではないかと感じました


信心深く家族思いの主人公の父親と同様に
放蕩息子を溺愛し
権力を使い
息子の不祥事をもみ消して来た
警察署長の母親や
息子より自分の選挙が大事な父親でさえも
『我が子を思う親』であることが
なんともやるせない