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ブレット・トレインのIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
3.3
まあまあ面白かったです。
監督は「デッド・プール2」のデヴィッド・リーチで、原作は伊坂幸太郎の「マリアビートル」とのことで大変楽しみにしてました。別段伊坂幸太郎のファンではないですが、原作「マリアビートル」は小説ながらエンターテイメント性がとても高く、テンポも良く、登場人物もみんな魅力的でユーモアがあり、読み始めると止まらなくなるまさに新幹線のような極上の娯楽小説になってます。映画「ブレット・トレイン」がどこまで原作の面白さを表現できるのか期待半分で映画館へ。
登場人物の設定やストーリーは、原作からちょこちょこ変更されてましたが、鑑賞中はどうしても比べながら観てしまうので、原作を読んでない方が映画を楽しめるかと思います。
また、ありがちといえばありがちですが、ハリウッド映画に出てくる日本は日本人からすると少々ヘンテコで、なんか違和感を感じますが、海外からすると、そもそもズレているのは日本人の慣習の方なので、お互い逆方向にズレてズレた感じの不思議な国・日本を今回も見ているようでした。
とはいえ、個人的な経験談で恐縮ですが、一時期海外にいた頃、数年ぶりに帰国して「日本すげえ!」と感激した事がありまして、何かと言うと、どこへ行っても床が綺麗でピッカピカ。さらにコンビニやスーパーなどの店員が若い10〜20代の女性(ギャルにしか見えない)ばっかりで、メイクもバッチリで受け応えも丁寧で、お釣りを渡す時は手を添えて、しまいには笑顔で「ありがとうございました」。もはや惚れるだけでなく、国全体が何かのテーマパークなのかと思うくらい強烈な印象を受けました。同じ日本人のくせに、です。(それらは数日で当たり前になりましたが)
そういう凄まじい清潔感と、やりすぎとも思えるサービス精神の最上位が、海外では想像もつかない高性能ウォシュレットトイレだと思います。トイレのくせに自動で便座が開閉し、尻を洗う水が出て、ドライヤーのような風が吹いて尻を乾かし、さらに喋る。映画ではブラッド・ピットが変態ばりにウォシュレットトイレを堪能してましたが、まさにあれが海外から見た異常とも思える日本のイメージなのだろうと思いました。当然小説にはウォシュレットのくだりは無いですが、映画のオリジナルシーンとして結構笑えました。
映画は原作の面白さを100%伝えるには至ってない気がしますが、コミカルな会話や、悪運なのか強運なのか分からない展開は原作同様健在で、さらにハリウッド映画らしく派手なアクションと、ブラッド・ピットを筆頭に豪華俳優陣とくれば退屈することは皆無。頭を空っぽにして楽しみたい時にはもってこいのアクション・コメディ・エンターテインメント映画でした。
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