ShinMakita

ブレット・トレインのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
1.8
休養明けの〈レディバグ〉が請け負った仕事…それは、東京発京都行の新幹線に乗り込み、一般客車から銀のアタッシェケースを盗むこと。ライバルの〈カーバー〉が請け負った仕事だが、腹痛のため彼が代理でやることになったのだ。難なくケースを盗み品川で降りようとした〈レディバグ〉だが、ちょうど乗り込んできたメキシコギャング〈ウルフ〉と鉢合わせし、いきなりナイフで襲われて車両に引き戻されてしまう。そんななか、ケースの持ち主である兄弟〈レモン&タンジェリン〉は、必死にケース泥棒を探し回っていた。2人は闇世界のボス〈ホワイトデス〉の依頼で、誘拐されていたデスの息子と支払われた身代金の入ったケースを護送中だった。息子とケース、どちらかでも欠けたらデスに消されてしまう…というわけだ。だが新幹線内を探している間にデスの息子が毒殺されてしまう。一方、ファーストクラス客車では、謎の少女〈プリンス〉が、ヤクザの木村を脅してあるミッションの準備を整えていた……


「ブレットトレイン」

以下、機関車ネタバレで人間を学んだ。


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リーチ監督のケレンたっぷりアクションにブラッド・ピットと真田広之が共演。原作は未読です。

ハリウッド映画の珍奇な日本描写は、日本人にとっては「お約束」であり、えてして萎えポイントになるんだけど、その根底には「アメリカ人はいまだに日本を誤解してるのか」という残念感があります。本作の特徴は、その珍奇日本描写を意図的にやっていてパロディにしているところ。車掌にお辞儀してるのにお辞儀を返してもらえないとか、列車内では静かにとか、電車内でのケータイがマナー違反とか、スマートトイレのくだりなど、日本人・日本文化イジリが凄まじく、なるほどキャストの大半をガイジンにしておきながらわざわざ日本を舞台にしてユーロスターやTGVにしなかった理由はそこか、と思い至りました。それを面白がれるかどうかがポイントだと思います。

カメオ出演のキャストがかなり笑えるのが良かったかな。マリアやホワイトデスを演じているアクターについてはアナウンスされちゃってるけど、知らないで観たら余計に楽しく、ゲイ気味のあの人や〈カーバー〉を演じるあの人など、カメオにもかかわらず適材適所な感じがナイス。ブラピのボヤキ&悟り&強運ぶりも笑えます。双子殺し屋のグダグダ会話にタランティーノ味を、「実はあの時こうでした」な時制遡り演出と悪党群像劇のプロットにガイ・リッチーやジョー・カーナハン味を感じつつ、ポップな殺し屋映画としてまぁ個人的には及第点の一作。いま大作少ないし、映画館で観て損はしない…かな?
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