ソラアユム

ブレット・トレインのソラアユムのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
4.1
題名:ブレットトレイン
鑑賞日時:2022年9月3日
鑑賞方式:MOVIX川口
評価:4.1(MAX5.0)

『運命は俺に言わせれば悪運以外のなにものでもない』


2022年146本目(劇場鑑賞32本目)

【良】
・ハイテンポ会話劇&軽快アクション
 タランティーノやガイ・リッチーを思わせる、複数の登場人物によるハイテンポの会話劇と場面転換が大変忙しないながら面白い。最初のアクションシーンが“ボリビアの2人”の回想シーンという主人公が全く絡んでいないあたりが如何にもタランティーノイズムを感じます。複数登場人物の様々な思惑が交錯しながらも、アクションはシンプルかつ短期決戦に抑えたのも英断だったと思います。ランニングタイムのほとんどが会話劇であるにも関わらず、アクションシーン&見せ場もしっかりある堅実な作品。

・ぶっとびJAPANESE世界観 
 私たち日本人が、ハリウッドの描く中東の描写に使用されることが多い淡黄色フィルターに違和感を抱かないように、海外の方から見た日本の勝手なイメージをそのまま再現したような世界観が目立ちます。ただ、今作に限っては良い方向に働いていたのでは?と個人的には思いました。今作の世界観は緩いコメディ調の側面がありますし、殺し屋同士の争いに対して周りの一般人は無関心を貫くというスタンスが序盤で示されるからです(殺伐と緩い日常が混在する世界観は『SAKAMOTO DAYS』『ザ・ファブル』に近い)。品川のホームに提灯をぶら下げた屋台が出店していたり、新幹線車内の雰囲気が異様にカラフル&ポップ&アニメ調であったり、添乗員が金髪であったりと、かなりふざけています笑。ただ、ダイヤの時間の正確さや、日本のポップカルチャーを活かした仕掛けは物語上で大きな役割を果たしているので、舞台を日本&新幹線内にする意義はあったのかなと。

【悪】
・何が起きても止まらない列車
 正直、これももう許せちゃう部類なんですが、非常口のコックが開いたり、車両のガラスが割れていても緊急停車せず、目的地(決戦の地)京都まで走り続ける新幹線とそれを許してしまうJRには突っ込みを入れたくなりますよね。日本人とか関係なく。

【総評】
 非常に面白い作品でした。『バーンアフターリーディング』以来?のおちゃらけたブラピが見れて正直うれしい限り。私はおすすめです。


以上