南森まち

ブレット・トレインの南森まちのレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
4.0
殺し屋レディバグの新任務は、東京発の高速列車で手荷物を盗み品川で降りる事。簡単な任務のはずだった…というお話。

ニッポン要素は期待していたよりも少ないが、ほれぼれするようなアクションと伊坂幸太郎らしいオシャレな台詞回しが素晴らしかった。着ぐるみのモモモンが流行しているのも、日本原作ならではで、とってもイイ!😆
たくさんの殺し屋が登場し、全員が違う背景を持っているのでお話は結構ややこしいのだが、うまく登場シーンと回想をからめて分かりやすく表現していた。

最近の伊坂幸太郎は、日本離れしたアンダーグラウンド物語が増えており、おそらく日本で映画にすると、ドラマ俳優だらけのとても嘘くさい映画になっただろう。ところがハリウッドの役者や技術のおかげで、緊張感と洒落たジョークが両立した素敵な作品になっていた。これからも伊坂幸太郎作品がアメリカで映画化される事が増えるかも!ファンとしてはワクワクだ!

レディバグと同乗していたのは腕利きの殺し屋コンビ「 タンジェリン」・「レモン」。高速列車「ゆかり」(おいしそう)の中でアタッシュケース争奪戦が始まる。さらには他の思惑を持った殺し屋たちが乗車していて車内は密かな攻防戦が繰り広げられる!レディバグたちは激しく戦い、時には協力する。果たして誰が任務を果たして無事に列車を降りられるのか?何が後ろでうごめいているのか?伊坂幸太郎「らしい」群像劇サスペンスが始まる!

本作では『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』でストームシャドーを演じた「アンドリュー・小路」が真田広之の息子の日本人役として素晴らしい演技をしていた。これからハリウッドの日本人役は彼が全部持っていくかもしれないですね。

真田広之が日本からハリウッドに進出して成功して30年くらいか。日本の役者たち、英語をもっと勉強して世界に打って出て欲しいなあ…。