キャストの演技が圧巻だった。20代前半〜40半ばまでを見事に演じ分けた森山未來は素晴らしいの一言に尽きる。その脇を固めた東出も味があったし、初代彼女も憎たらしいほど素敵じゃ。
話は全体的に、う"っ…という感じ。かなりしんどい。
最初の彼女を引きずりすぎだろう。が、分からんでもない。思い出があればあるほど、あの別れ方は理不尽すぎるだろうぜ。
それ以外の場面も苦しみの連続。観ていてつらいところが何度もあった。特に飲み屋で知り合った女人の正体を知る瞬間。もう感想を書きながら「うわぁ」と、ため息が止まらん。仕事と私生活のバランス、大事だなと思った。
ともかく、まぁ、、ヒッピー気取りのサブカルクソ元カノが事あるごとに主人公に言い続けた「普通」というワード。棄てられる直前にも言われていただけに、呪いみたくなってたんだろう。その元カノも結婚して「普通」の人生を歩んでいた。それを知れたことで、主人公の止まってた時計が動き出したのなら良かったんじゃないかなと思う。
作中に出てきた中島らもさんの言葉を借りるなら、「砂をつかんで立ち上がれ」。
まだ40代で、金もある。まったく手遅れじゃない。
