アラシサン弐

ボクたちはみんな大人になれなかったのアラシサン弐のレビュー・感想・評価

3.9
原作未読で鑑賞。
かなり刺さる人を選ぶ内容だと思ったけど個人的には支持派。

「大人になれなかった」って言葉が言えることは、もう大人になっていることなんだな。
で、大人=普通であることも暗示してる。

普通であることを恨めしく思いこの映画的に言うなれば「キテる人」への憧れを持って、何か人とは違う人になりたいと考えても、
そもそも「普通から反発すること」=「自分が普通であること」を認めることになるジレンマでもあるなと思わせられた。

中盤あたりで、世間一般的な目線で見ると「普通ではない」お仕事をしてる人が言う「普通が一番だよ」が、普通じゃなくなりたい人たちへの一番辛辣な言葉だなと思った。
本当にヤバい人は普通になりたいとかなりたくないとか思わないだろうし。
それを自然に受け入れてくのも大人。

森山未來の、真っ当に生きてそうだけど過去を忘れられずに塞ぎ込んでいる感がとても良かった。

あと、「キテる人」たちを90sの渋谷系カルチャーを使って表現してるのも上手いなぁと思った。
たしかにSonic Youthはキテる。
アラシサン弐

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