これは文句なく5。
「明大中退」「赤信号、皆で渡れば怖くない」「コマネチ」「フライデー襲撃事件」などなど、タケシにまつわる事柄はたくさん聞いたことがある。とはいえ、俺の世代では物心が付いたときからお笑い界の重鎮で、それほど面白いと感じたことはなかった(映画は別)。
そんなタケシについて下積みからデビューまでを描いた今作は新鮮そのもの。多少は演出があるにせよ、どん底から這い上がったその過程は一見の価値がある。
なによりタケシ役を演じた柳楽優弥の演技力が凄まじい。ボソボソとツッコむ感じ、特徴的な瞬き、首のかしげ方…、どれをとっても完コピにもほどがある。
柳楽のインタビュー記事をちょうど今日読んだけど、役が染み付きすぎてCM撮影の時に「タケシが入っている」と注意を受けたりもしたとのこと。さすが。
大泉洋が演じた師匠にしても、その生き様が格好良い。どんなに苦しい状況でも後輩に奢ったり、良い服で着飾ったり、“粋”という言葉がピッタリな人物だった。こんな人の部下になりたいなと思う。
いやぁ、非常に良い作品だった。