サーフ

Billie ビリーのサーフのレビュー・感想・評価

Billie ビリー(2019年製作の映画)
4.0
伝説のジャズ・シンガー、ビリー・ホリデイのドキュメンタリー作品。

「奇妙な果実」で知られ、僅か44歳で生涯を終えたビリー・ホリデイの人生を彼女の伝記に取り組んでいた1人の若い女性記者の関係者へのインタビュー音源から紐解いていく。といった構成となっている。

ビリー・ホリデイの人生は非常に壮絶な物。アメリカの白人による黒人に対する人種差別の歴史と共に彼女は生きてきたという事が関係者のインタビューから詳らかになっていく。
映画「ザ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ」は見た事があったので彼女の人生は知っていたものの、その当時生きてきた人たちの証言を聞くとより過酷な物だったんだなと分かる。

今も続くアメリカにおける白人と黒人の関係性の歪さと同時に彼女自身の歪な部分も明らかになっていく。
ずーっと心の牢獄に囚われ続けた人生…。解決にならないけど薬物へ逃げ込むのも仕方がないと思えるぐらい居た堪れない気持ちになる。

ビリー・ホリデイと彼女の伝記を執筆しようとして不慮の事故で無くなった(とされる)女性ジャーナリストの人生が重なり合っていくというドキュメンタリー作品としては不思議な作品だけど。見ごたえはかなりあった。
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