くろさわ

TOVE/トーベのくろさわのレビュー・感想・評価

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)
3.5
見終わった後にムーミンが見たくなる。

Filmarksのオンライン試写会にて観賞。

ムーミンの作者トーベ・ヤンソンの半生を描いた映画。可愛いくてポップなムーミンが出来るまでの話ではなく、作者のトーベがどんな女性だったのかにフォーカスされた内容となっていた。

トーベは10代後半にはイラストレーターとして収入を得て、20代で他の国で絵画の技術を学び、その後個展を開いたりするようになったらしいが、本作は1944年〜1952年、トーベ・ヤンソンが30代半ばから40代にかけた一部の話となっている。


彫刻家の父親に比べて、芸術家として認められない画家のトーベ。 
「人生は素晴らしい冒険、寄り道しなきゃ」の言葉通り、トーベは本業の絵画の合間に息抜きとして描いていたムーミンがのちに芸術として認められていく。そのアイデアの中には、トーベの自由な恋愛が元になっていたことが映画を通して伝わってくる。


見終わった後、あらためて芸術とは幸せ、痛み、悲しみなどさまざまな深い感情から生まれるものだと感じさせられた。

自分は芸術家でもないし、何かを新しいものを生み出す仕事しているわけでもない。
でも、トーベを見て人生の歩み方について、人生は素晴らしい冒険、目標に対してまっすぐ進むよりも寄り道しながら自由に生きたいと今後の人生について考えるきっかけとなった気がする。

今作を見た後で、ムーミンを見ると何かトーベの気持ちに感じることができそうな気がするので、またムーミンを見たい。

トーベの影がムーミンのシルエットになっているポスターおしゃれだな。