あさの

TOVE/トーベのあさののレビュー・感想・評価

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)
4.0
芸術家または探求者としてのトーベ・ヤンソン、その愛と自由を巡る冒険の軌跡をたどった、知られざる伝記映画です。
ムーミンがいかにして世に出たかが描かれてはいるものの楽しいムーミン一家の愉快な起源を期待する作品では決してありません…が、ムーミンファンであるほど新たな視点(特にトフスラン&ビフスラン!)が加えられる仕様になっており、とても興味深いです。
登場人物のほとんどがアーティストであるところも面白く、彼らの葛藤もまた人間の持つ魅力にあふれております。
嵐や風を前にしたトーべの表情、そしてエピローグで踊るトーべの姿を見るに、彼女自信こそがあの自由を愛する心豊かなムーミン谷の住人全てを投影した聡明な女性である事がわかり、これだけでも一見の価値アリかと思います。
こだわり抜いたであろう小道具等の美術、また音楽の使われ方にも素晴らしいものがあります。
あさの

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