あさのさんの映画レビュー・感想・評価

あさの

あさの

黄龍の村(2021年製作の映画)

3.5

謎の村にやって来た若者達がこっぴどい目に遭う系因習ホラーかと思いきや、予想の斜め上を行く展開が楽しめるネタバレ厳禁映画の快作です。
阪元監督らしい荒削りな演出はそのままこの作品のパワーとなっていると思
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貞子DX(2022年製作の映画)

2.5

アイコンとしての貞子をテーマにしつつリングウィルスを新たな恐怖として描いた、令和系コメディホラーの怪作です。
魅力を感じる登場人物が少なく、特に自称占い師のキャラがひたすらウザかったりしてしんどいです
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

砂漠の街に集った人々の奇妙な混乱を色鮮やかに切り取った、とっても可愛い不条理コメディです。
これはもうウェス・アンダーソン監督の作り上げたパステルカラーの世界に浸りましょう…としか言えませんし、実際そ
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ドラキュラ/デメテル号最期の航海(2023年製作の映画)

3.5

逃げ場なしの恐怖を重厚なタッチで描いた、とってもクラシカルな文芸系海洋ホラーです。
丁寧に作られた世界観の雰囲気や良し、意外性のある展開も面白いのですが、斬新さが売りのウーブレダル監督に期待するような
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フレンチ・ラン(2015年製作の映画)

3.5

はみだし者同士のコンビが不穏なパリを縦横無尽に駆け巡る、とってもバディムービーなサスペンスアクションです。
ありきたりな設定にありきたりな展開ながらもなぜか物語にグングン引き込まれるのは、ひとえに主演
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ある男(2022年製作の映画)

4.0

真実を巡る奇妙な調査を“ある男”の愛の物語として描いた、ヒューマンサスペンスの秀作です。
揃ってるなぁと唸らされる俳優陣、その繊細な演技アンサンブルには素直に圧倒されました。
ひねくれた役の多い小籔さ
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.5

不穏な何かに侵食され行く家族をハッタリのない真摯な恐怖演出でもって描いた、何かいる系ホラーサスペンスです。
俳優陣の好演が素晴らしく、特に短い出演時間ながらも窪塚洋介さん竹中直人さんのキラリと光る存在
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.5

バディ系オカルトホラーの快作です。
実在のエクソシストをテーマとした社会派伝記映画かと思いきや、意外にもかなりエンタメ寄りのシンプルなお祓いアクションでなんだか妙に安心しました。
ラッセル・クロウ演じ
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スクリーム(2022年製作の映画)

3.0

毎度おなじみ安定の驚愕どんでん返しが楽しめる、ビックリドッキリ系スラッシャーホラーの意欲作です。
新生スクリームと言うよりは過去作の完全なる続編となっており、ファンであるほど楽しめるメタ作劇となってい
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

女王の寵愛を巡る愛憎と攻防をとってもブリティッシュデザイアに描いた、ドロドロ系宮廷史劇です。
主演3人による恐るべきアンサンブルもさることながら、胸に迫る画角や絢爛豪華な美術と衣装は一見の価値アリかと
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

3.5

とってもスペクタクルなSF風刺コメディです。
一貫して大仰な演出となっているのでどのテンションで観ればいいのか困惑しがちですが、“小ネタに特化した三木聡映画”として楽しむのが正しい鑑賞方法なのではない
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孤児院(2018年製作の映画)

3.0

権力者達の闇と対峙する若き検事の姿を描いた、実録系社会派ドラマです。
特に情緒のある作風では無いですが、寒々しい雰囲気は良いです。

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.5

常軌を逸した倫理観をテーマにしながらも単なる不謹慎映画では終わらない、肉食系フレンチブラックコメディです。
どん詰まり夫婦の葛藤と暴走が軽妙洒脱に描かれております。
不寛容社会への風刺が効いており、ま
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オットーという男(2022年製作の映画)

4.0

とってもハートフルな人間賛歌系ヒューマンコメディです。
気難しい人物がお人好しな人々の優しさによって気づきを得、やがて頑なな心が氷解し浄化されると言うありがちなベタ展開なのですが、演出や脚本の説得力が
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ガール・オン・ザ・トレイン(2016年製作の映画)

3.5

秘密と愛憎を巡る交錯劇をどん詰まり感マシマシで描いた、記憶ミステリー系ソープオペラです。
一捻りあるスリラー構成も面白いですが、エミリー×レベッカ×ヘイリーによる悲劇的なアンサンブルがとにかく素晴らし
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.0

白亜紀末期らしい地球からの命がけの脱出を描いた、ジュラパ系SFサバイバルです。
サム・ライミ製作ダニー・エルフマン音楽アダム・ドライバー主演のSFスリラーと聞けば期待値が爆上がりするのも無理は無いと思
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.0

さかなクンの半生をフォレスト・ガンプとはまた違った突き進み方で人生を切り開いて行く冒険譚として描いた、とっても一魚一会な青春映画です。
ジェンダーを軽々と超越させたのんさんの存在感が素晴らしく、単なる
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サラウンデッド(2023年製作の映画)

3.5

荒野で巻き起こる虚々実々の死闘を描いた、とってもサバイバルな西部劇です。
派手さこそないものの、そのぶん主人公2人の生き様が静かに胸に迫りました。
ロケ地の過酷さもかっこいいです。

シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)

3.5

高度2500mの爆撃機内での死闘を描いた、とってもトワイライトゾーンなサバイバルアクション系女性映画です。
前半のほぼ一人芝居の密室会話劇で画面を持たせてしまうクロエ・グレース・モレッツのスター性はそ
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.0

AIと愛を巡る恐怖を家族映画として描いた、サイコ系SF人形ホラーの快作です。
一途でコワ可愛いミーガンの造形や所作がとにかく素晴らしいです。
単なるターミネーター+チャイルドプレイでは終わらない、新た
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お葬式(1984年製作の映画)

4.0

葬儀に右往左往する人々をユーモアたっぷりに描いた、非日常系ホームコメディです。
時に醜悪でありつつもどこかも愛しい人間模様が、伊丹監督独特の遊び心でシニカルに演出されています。
邦画史に残るエッチなシ
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

4.0

2大レジェンドの頂上対決を迫力満点に描いた、壮絶なSFバトルアクションです。
人間ドラマを最小限に抑えた構成により、シリーズ中随一のこれぞザ・怪獣映画に仕上がっていると思います。

ロード・オブ・モンスターズ 地上最大の決戦(2021年製作の映画)

2.5

ゴジラvsコングと言うよりはランペイジちっくな怪獣バトルをPS2くらいの映像で描いた、とってもB級なSFパニックです。
基本的に異常事態発生→小競り合い発生が延々と繰り返される単調構成であり、色々とか
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.5

啓示と妄想を巡る恐怖をジレンマたっぷりに描いた、究極系選択スリラーです。
シャマラン流の捻りが無く厄災の描き方も抑え目なので、終末映画と言うよりは宗教映画に近いかと思います。
とにかく戸惑いたいって人
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.5

決断と救いを巡る冒険をダイナミックに描いた、とってもウーマンリブなヒーロー映画です。
正統派王道ヒーロー譚であった前作とは打って変わってかなりロマンス寄りの作りになっており、エモいです。
完璧に作り上
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ダーク・ハーヴェスト(2023年製作の映画)

3.5

呪われた町の奇祭を鬱屈感マシマシで描いた、因習系ハロウィンホラーです。
めくるめく暴力の世界が展開されるパージ系青春サバイバルかと思いきや、中盤以降は登場人物達の思惑がどこかそれぞれ空回り、結果散漫な
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正義の行方(1994年製作の映画)

3.5

個と公を巡る悲劇を描いた、骨太の社会映画です。
かつてありえたかも知れない事件を通して、正義とは、法とは、人とはを考えさせられる重めの内容となっています。

個人的には中国の友人達と共に中国映画祭で観
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ロックダウン 非常事態(2019年製作の映画)

3.0

SF系終末パニックの皮をかぶったサイコ系脱出スリラーです。
意味こそわかりませんが、サバイバルの果ての皮肉めいたオチはちょっと面白いです。
ジャケ詐欺度高しです。

次元大介(2023年製作の映画)

3.5

役者陣の好演が光る、とってもクールなガンマンアクションです。
なんちゃって無国籍風、かつありがちなウエスタン展開ではあるものの、次元大介の名に恥じぬ真摯なガンアクションは近年の邦画の中では群を抜いて見
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

4.0

絵画にまつわる怪異を儚くも美しく描いた、美術系怪奇サスペンスです。
派手さこそないものの、人類の至宝であるルーヴル美術館でのロケ敢行によって「味もみておこう」や「自分の見た事や体験した事感動した事を描
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.0

偏見と暴力の中で育った一人の少女の生き様を、愛と孤独と秘密を巡る美しくも恐ろしい物語として描ききった、とってもネイチャーな人間ドラマです。
有罪か無罪かを縦軸としたミステリー構成になっている点もこの作
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海底47m 古代マヤの死の迷宮(2019年製作の映画)

3.0

女子達が海底でこっ酷い目に遭うシリーズの第2弾、サメとの激闘を圧迫感マシマシで描いた、絶望系海洋パニックスリラーです。
何度もパニくるな!と画面にツッコみを入れてしまうストレスフルな仕様はそのままです
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操作された都市(2017年製作の映画)

3.5

強い絆で結ばれたゲーマーチームによるとってもインポッシブルな奮闘を描いた、冤罪系サスペンスアクションです。
ベタな展開ではありますが、ケレン味あふれる活劇と異常なテンポの良さでもってグイグイと物語に引
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PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.5

愛する豚を取り戻すために鬼神と化すケイジ無双を期待する作品では決してありません、孤独な男が思いがけず過去と対峙し、埋めようのない空白をたどるの暗晦の道行を描いた、とってもバーンアウトな人間ドラマです。>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.5

天才映画監督によるセルフ系サクセス映画道を期待する作品では決してありません、映画の持つ力や物事と理由を巡るとっても残酷な家族映画です。
作家と言う人種はある程度何か業を背負っているものだと思うのですが
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RAMPO(奥山バージョン)(1994年製作の映画)

4.0

時代の寵児であった映画人奥山和由による、世にも美しい幻想怪奇映画です。
虚構の描かれ方が面白く、乱歩の怪しい世界を十二分に堪能できるパノラマ仕様となっています。
黛監督のものも観ましたが、エンタメ度は
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