グラスゴー映画祭にて。

1845年のアイルランドの海沿いの村、食料飢饉でなんとか家族を養おうとする主人公コールマンの姿を追うドラマかと思っていたら、重苦しい自然の中、バイオレンスからサバイバルへと続く話だった。

ジャガイモは採れず、魚を捕る術を身に付け生きていくしかない状態、英国人の家主(？)を訪れたときに悲劇が起こる。

ひとりぼっちになり追放もされたコールマンの過酷なサバイバルはある少女との偶然の出会いで変わっていく…？

とにかく重苦しい。ずっと曇天で灰色の空、彼らの置かれた状況に追い討ちをかける出来事。
ズタボロの主人公はもう全然生気がない。
何が彼を生かしているのか。

音響もかなり効果的で派手さはないのだけど、耳に重たく入ってくる音は彼のどん底の心理状況にマッチしすぎ。

思いの外人が死んでバイオレンスもあったが、静かな絶望、内なる葛藤、苦しみを描いたなかなか印象深い映画だった。