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ライフ・ウィズ・ミュージックのれのレビュー・感想・評価

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高校生の頃に一発で心を奪われてしまったchandelierのMVに出ていた女の子が素晴らしい主役を飾っていた…今でもあのMVを見た時の衝撃と刺激と中毒性を超える映像はなかなか無い。siaはそこから、一時期狂ったようにCDを漁って聴いていたということをこの映画を観て思い起こされてしまった。(数年前、Diorの香水のCMでchandelierが起用されていたのがクッソかっこよくて(しかもナタリーポートマンで)あぁこの曲はこれからもずっとずっと色褪せないんだなと思った)
Elastic Herat、Cheap Thrills、The greatestと、siaのヒットソングのMVには、コロコロと変わる不思議な表情と信じられないくらい動くコンテンポラリーダンサーのこの女の子が必ずいた。そんなsiaが初の映画を作るとなったときにも、ミュージック役で(sia自身が生きていく上で最も身近な“音楽”の名をつけて)主役を飾るなんて夢がありすぎるよ……映画の中というかサントラの話になってしまうけれど、“1+1”が本当に刺さって抜けない。彼らの生活は“2”にはならないけれど、出会いの分だけ“+1”が増えていくんだろうな。

あと、ズー役のケイトハドソン!私の中の青春映画〈あの頃ペニー・レインと〉のペニーレインなんだからもう!映画観てる間、実はぜんっぜん気が付かなくて。後から知って、うわぁそうだったのか、、!となっている。
思えばレディガガというモンスターに世間が慣れた頃、10コも歳上のsiaのぶっ壊れたアル中ソングこと“chandelier”が流行ったの本当に面白かったな。siaは'10年代を代表する(そして私の青春の)素晴らしい姐さんです。そんな姐さんは今になって初映画を撮ってみたりするチャレンジと奔放さが最高で、でも世界観は最初のベストアルバムのジャケットみたいなカラフルさをずっとやってくれていて、相変わらずカッケェよ。映画としてどうこうってことじゃないのよ。マジでありがとうの気持ち。アンタがDIVAです。

あと映画館でひと席飛ばして隣の人が鼻水啜りながら静かに涙を呑んでたのすっごいよかった。全く知らない人だけど、同じ回で観られて何より。
何を書こうとしても映画のことよりも自分とsiaの思い出話になっちゃうから、隣で観てた知らない人が印象的でたすかった。
れ