このレビューはネタバレを含みます
Fukaseがすごく良かった。菅田の、あのシーンの表情が最高。ノンストップで最後までずっとハラハラしてた。良い意味で期待を大きく裏切られた映画。
以下、覚書兼、独自解釈
・両角に包丁を振りかざす山城のあの笑み。34の1話でなぜ山城は、「犯人が長く滞在していた」という知り得るはずのない鑑識の結果を、「食卓に死体と座るダガー」として描けたのか。あの謎が解けた気がした。
・伏線回収の心地よさ。
(男の子か女の子どっちだと思う?、違和感のある実家、ベビーベッドの実物を観客に見せて1個だと思わせるミスリード、お前は誰だ?…etc.)
・エンドロールのあと、包丁を研いでいたのは、まちがいなく。(夏美が感じた視線、まだ終わっていないという気持ち悪い余韻)
・山城が売れたあと分かりやすくタワマンに越したのは、彼自身にキャラクターがないから。こだわりがないから、売れた漫画家が"しそうなこと"をなぞっただけ。
・両角の生い立ちが過不足なくコンパクトにまとめられていたのも良かった。我々日本人が"宗教"に感じる気持ち悪さを上手く使ったな、と。
警察が両角に辿り着けなかったのも、戸籍がないからという理由ですべて辻褄が合う。