南森まち

キャラクターの南森まちのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
2.7
殺人事件の発見者となった事で殻を破りヒット漫画家になった男。しかし彼の漫画を模倣した殺人事件が発生する…というお話。

見立て殺人、書いたことが本当に起こる、クライマックスの被害者候補がアレ…と有名ヒット映画を混ぜたような話。クライマックスが某作品にあまりにも似すぎて閉口してしまった。
構想10年をかけて作り上げた脚本というが、本当にこれにそんなにかかったの…?しかも本家よりもずいぶん甘い終わり方でガッカリ。
仮にその「有名映画」の存在を忘れたとしても、評価は3.2くらい。
脚本の粗が多く、枚挙にいとまがない。

伏線もなく突然「四人家族を〜〜するコミュニティ」という設定が出てきて、そこに土地勘があるのだろうと刑事が言い始める。しかし映画で土地勘がないとできない描写にはおもえなかった。
しかもこんな派手なカルト事件があったなら、観光がてら、訪れる土地勘ある人はいくらでもいるだろう。
しかも、そのシーンをマンガとして詳細に描いていた漫画家は、そこ出身じゃない…ってどういうこと?

また、辺見という、脚本上非常に便利なキャラが出てくるのだが、彼についての説明がまったくの掘り下げ不足。少しだけセリフで説明されるが、それだけではとても納得行かない。人を操る超能力か何かかよ。

主人公の奥さんも掘り下げていないので、あの最終回にGOサインを出した彼女を理解できない。旦那に死んでほしかったの?
また主人公も知らなかった奥さんのアレを、どうして犯人は知っていたのか。
主人公の出身家庭が実はがどうの…という設定はどこで視聴者に説明されたのか、などなど。
極めつけは、序盤に刑事の清田が元暴走族だった、というエピソードが強調されるのだが、ストーリー上それが活かされることはなかったように見えた。
たんに例の映画のように刑事二人組にしたかっただけか?

結局、有名映画を模倣したラストに持っていくために、おかしな設定が多くてなんともやりきれない。

結局、人気歌手Fukaseの俳優デビューという話題性ありきの作品と受け止めました。
言いたい放題申し訳ありません。