このレビューはネタバレを含みます
怒らないで聞いていただきたいのですが、昔からFukaseさんってDV男とかサイコパス役がハマるお顔だよなぁと思っていたので、この作品は気になっていました。
結果、名優揃いの出演者の中で一際輝く連続殺人鬼役を見事に演じきっていらっしゃるではないですか!
ご本人のインタビューを拝読したところ、1年以上演技のワークショップに通われたり、日常の中で「両角なら…」という思考で過ごしてみたり、と、かなり本気でお芝居に向き合っていらしたようです。素晴らしい。
そして全体としても、先の読めない展開ながら、理想通りのストーリー運びで大好きでした!血みどろの容赦無いゴア描写もチャレンジングでとても良かったです。
一家殺人シーンが描かれなかったのは、辺見の協力が仄めかされていたからそれを見せないためなのか?わかりませんが、なかなかバランスが良いと思いました。(子供が死ぬシーンは怖いので、そのシーンが無くて助かりました。)
子供の他殺体が映像化されてるのって、日本(アジア?)ならではの描写だなといつも怯むのですが、今作は家族全員同じタイミングで殺されるから不幸中の幸いというか…まだ見られます(?)
スムーズな伏線回収で邦画にありがちなツッコミどころとか辻褄が合わないところもほぼ見当たらず、どのシーンも気持ちいいところにスパッとハマってきてくれる良作だと思います。Fukaseさんに馬乗りになった菅田さんが目を合わせて狂気的に笑い合うシーン、「これこれコレェ!!!!」となりました。久しぶりに邦画で揺さぶられたのでみんな見てくれ。