この映画は、限りなく深いボクシング愛に溢れている。
世の中に、面白い、または熱いボクシング映画は数あれど、ここまで深く温かいボクシング愛に包まれた映画があっただろうか。
自身が30年来ボクシングをやって来た吉田恵輔監督、さすがにこちらの期待を大きく越えて来てくれました。
良くありがちな、努力→試合→勝利(or敗北)→感動、で描かれるボクシング映画の定番パターン。
もしくは、敗北やダメ人間からの自己復権の物語。
単純にそのどちらとも違う、誇張や大げさな脚色の無い、リアルなボクサー、ボクシング、ボクシングジムの姿がここにあるのではないか。
好きなシーンはとてもたくさん有り過ぎるけど、やはり何と言ってもラストシーン。
瓜田(松ケン)の、職場である水産市場の片隅での、エプロン長靴姿でのシャドー。
グググーっと、こみ上げて来ました。
自分の中での、ボクシング映画のベストになりそう。