誰よりもボクシングを愛しているのに、負けてばかりの男 瓜田を松山ケンイチが好演。
勝ち続け、チャンピオンベルトを手にし、彼女も手に入れるのに、ボクシングをあきらめないといけなくなる男 小川を東出昌大。
笑いと癒し担当かと思った
柄本時生が、本気のボクサーに
なっていき、心の中で、
やるんかいっ!とツッコンデ
しまった。
三人の男たちのボクシングへの
思いや各々の戦い方。
ストイックに挑み続ける男達の
姿はかっこいいが、犠牲も多いし、支える人達も大変だと思う。
そして、あきらめなければならない時の苦しみや切なさが何より辛い。
本当の強さとは、何かを考えさせられた。
30年ボクシングをやってきた
監督が、実際のボクサーをモデルにして脚本を書き、殺陣も細かく絵コンテにして、指導したとある。
ヒーローとしてのボクサーと
いうより、ボクシングに取り憑かれた男の生き様を見せつけられる。
松山ケンイチのラストの姿に
涙があふれた。
地味ながら、切なく、いい映画
だった。
美容室で、鏡越しに小川の彼女を見つめる時の
瓜田のゾクリとする程の
かっこよさ。
口に出さない思いの方が
熱く、深い。
松山ケンイチ自身も一年かけて、監督の望む身体を作ったという。
役者もストイック。