尖った終わり方するし割とシリアス色強めなのに楢崎がエンタメしすぎててちょっと浮いてた。あんなに分かりやすい曲や演技の演出をされると分かりやすい起承転結や感情吐露を期待してしまう。みんなが「ここでおわり!?」ってオチに肩透かしを食らうのもわかる。
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めちゃくちゃ普遍的だけど、だからこそとてつもなく尊いことを描いてるなと思った。
いくら努力しても、熱量や愛があっても才能に敵わない''焦燥感''や''敗北感''は、絶対に誰もが体験する。
でも同時に、才能で追い越してしまう人間にもコンプレックスがあることを忘れちゃいけない。尊敬している人を追い越し、追われるのには相当の覚悟がいる。
それを小川が自覚しているからこの映画が好きだ。
身近な人間が隣で成功していく様を見るのが平気なやつなんか居ない。悔しいに決まってる。焦るに決まってる。でもそれを押し殺して、「がんばれ」って言える人間が好きだ。
尊敬する人を追い越して、お門違いだとわかっていても背徳感や申し訳なさを背負いながらも才能に妥協せず、さらに努力できる人間が好きだ。
この二人は結局青コーナーの人間になってしまうけれど、それでも走り込むのは、シャドーをするのは、ただ、ボクシングが好きなんだろうな。
愛。