パッとあらすじだけ見てるとメーンが松山ケンイチなのかと思いきや、そうではなく松山ケンイチ、東出昌大、柄本時生の3人がそれぞれ主人公であるという粋な計らい。
ボクシングを通じて描かれる今作は、プロながら一回も勝てない主人公と、誘われて始めたボクシングでチャンピオン戦に挑む主人公、そして同僚の女の子にカッコいいところ見せたい一心でボクシングを始める主人公。
それぞれが三者三様色々な気持ちでボクシングに励む姿はとても良き。
毎回ハラハラさせられながらも上手い場面展開で観客を魅了させる吉田監督の手腕が完全に発揮された作品。
脚本自体、場面転換のせいもあってか作中でのいらない部分を根こそぎ取っている印象も受けるので、簡潔でありながらも浅いと感じる箇所は多々あるのがもったいないが、近年の映画みたいに140分とか長くして根掘り葉掘り描くよりはそれはそれでいいのかな。